関西エアポート株式会社


関西国際空港
不同沈下対策 ~ジャッキアップ技術~

いろいろな不同沈下対策

土地が均一に沈下すれば空港施設の構造や機能への影響はありませんが、場所によって沈下量が違う場合(不同沈下)、構造物にゆがみが出るなど問題が発生します。特に、建物は大変デリケートですから、わずかな不同沈下も構造に影響を与えます。このことから建物では不同沈下の対策として以下のような対策を講じています。

  • ベタ基礎:

    コンクリートの土台を直接、地面に置くことで、不同沈下しても、建物全体が沈下するように工夫したものです。
  • 埋立層の締固め:

    30mにも及ぶ埋立の土が、地震などで縮まないように、締め固めました。
  • 排土バランス:

    建物が重い場合には、土を取り除いて軽くするなど、出来る限り地盤に加わる重さが周りと変わらないように工夫しました。
  • ジャッキアップ:

    不同沈下でわずかに建物に傾きが出てきた場合に、建物の1本1本の柱をジャッキで持ち上げて鉄板のプレートを挟み、建物の傾きを調整するしくみです。

幸い、現在の1期島で起きている沈下は、深くて厚さがほぼ均一な洪積層の沈下が原因なので、上に載っている島の重さが同じであれば、地表に現れる沈下はほとんど同じような沈下になるはずです。現に、滑走路や誘導路などの基本施設では、機能上問題になるような不同沈下はほとんど起きていません。

旅客ターミナルビルのジャッキアップシステム

空港を代表する巨大な建物であるターミナルビルは、中央の本館部分だけが大きな地下室を持っていて、その結果、周囲よりも軽くなるため、本館の底に鉄鉱石を重しとして敷き詰めましたが、それでも周りより少し軽くなっています。このため、周りよりも沈下が多少少なく、両サイドのウィングとの間に、わずかな傾きが出ています。目で見ても分からないような傾きですが、これを修正するために、ジャッキアップを行って、床を平らにしています。旅客ターミナルビルには、900本の柱がありますが、それぞれの柱の沈下を自動的に計測し、どの柱を上げれば良いかを決めてジャッキアップしています。沈下は収まってきているので不同沈下も減ってきており、現在は、数年に1回のペースでジャッキアップを行っています。


【ジャッキアップシステムのイメージ1】


【ジャッキアップシステムのイメージ2】


【ターミナルビル柱のジャッキアップのしくみ】


【ターミナルビルの不同沈下対策状況(H19.12現在)】


関西エアポート株式会社は、2016年4月1日より関西国際空港および大阪国際空港の運営権を継承しました。それ以前の運営に関する記事・資料には、当時の運営会社である新関西国際空港株式会社(現:空港所有者)名が記載されていることがありますのでご了承ください。