洪積層下部は、厚さが200m程度もありますが、洪積層上部よりも堆積した時代がさらに古く、空港島の荷重に耐えるだけの固さがあるため、大きな沈下が生じることはないと考えられていました。昭和40年代に、工場等の地下水汲み上げによる地盤沈下が社会問題となり、大阪でも広域的な地盤調査が行われましたが、その際の調査でも、洪積層下部は固いので、地盤沈下の原因にはならないという見識が得られていました。関空でのボーリング結果をみても、たしかに洪積層下部は相当固いのです。
一方、洪積層のどの部分がどれくらい沈下しているのかを測ろうと、2001年度に、1期島の2カ所に沈下計を据え付け、データを取得してきました。この計測データによると、洪積層上部に比べると小さいものの、洪積層下部にもある程度の沈下が生じていることや、洪積層上部も洪積層下部も沈下のスピードが次第に緩くなり、収束に向かっている状況であることが分かりました。