大阪国際空港とその周辺地域では、大阪国際空港の滑走路、エプロンなどの拡張や猪名川流域の宅地開発による雨水流出量の増大により集中豪雨(1994年、1997年、1999年)で空港ターミナル施設及び空港周辺住宅地が浸水するなど甚大な被害が度々発生しました。
これらの浸水被害を軽減するため、排水能力(1時間で49㎜)を超える必要水量を一時的に貯留する施設(雨水貯留管施設)を2007年度までに大阪府・国で整備しました。
雨水貯留管施設
貯留管の内径は約5.8m、全長は約1.8kmあり、約45,000㎥の水を溜めておくことができます。溜まった水は幹線排水路の水位が下がるのを待ってポンプで水を汲み出し、幹線排水路へ流します。
2005年:工事着手、2008年2月:完成、2008年7月:供用
雨水貯留管施設の貯留イメージ
雨水貯留管内の状況
また近年の気候変動に伴い、関西エアポート株式会社では、集中豪雨による浸水被害リスクへのさらなる対策として緊急放水路等を新たに整備し、2021年5月に完成しました。
さらに緊急放水路内の水位を監視してアラートを自動的に発信する設備を整備し、アラートに基づいて旅客ターミナルビル等における止水対策を迅速に実施する仕組みを構築しました。
これらにより、1時間に133.5mmの既往最大クラスの豪雨の際に旅客ターミナルビルが浸水するリスクを解消しました。
緊急放水路
緊急放水路の内径は1.2m、全長は約460m。流入した水は道路・駐車場エリアよりも広いエプロンエリアへ流します。
2020年:工事着手、2021年6月:完成・供用
雨水貯留管施設・緊急放水路等の位置図