KIX T1オペレーションセンター開設
KIXの「頼もしさ」と「快適さ」の向上をめざし、
関わるスタッフが一丸となり創造した
T1オペレーションセンター。
関西国際空港(KIX)では、平常時・緊急時に関わらず、快適な旅をケアする拠点として、
2019年7月にT1オペレーションセンターを設置。
安心で快適な旅・空港の実現に全力で取り組んだ精鋭たちの声をお聞きください。
※各社員の所属、インタビュー内容は2019年11月時点のものです。
MEMBER
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運用統括部
2000年度入社 Y・Y
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伊丹空港運用部
警備・保安グループ2001年度入社 S・T ※KIX T1 オペレーションセンター開設当時は運用統括部に所属。
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建建築技術部
関空設備グループ2018年度入社 K・C
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建築技術部
関空設備グループ2019年度入社 H・K
「お客さまの安心・安全・快適を守る」という
熱い思いがプロジェクトの原動力となった。
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「誰にとっても良い空港にしたい」という
思いを共有し、加速度的に進んでいった。S・T 2019年7月に稼働開始したT1オペレーションセンターは、計画から運用開始までに、約半年かかりました。私が運用統括部に所属した頃に計画・設置し、現在はY・Yさんが運用管理を担当しています。
Y・Y 空港にはさまざまな建物があり、とても広いため、一元的に管理するのは難しいといえるでしょう。そこで、空港全体を第1ターミナルビル、第2ターミナルビル、国際貨物の通関や集配・保管業務の拠点である国際貨物地区、航空機の地上作業や移動を行う区域であるエアフィールド、訓練教育や資機材保有の拠点となるノースエリアという、5つのエリアに分けて管理しています。その一つである第1ターミナルを管轄しているのが、T1オペレーションセンターです。ここでは平常時にお客さまへフライト・アクセス・施設などを案内し、緊急時には防災の情報発信や物資の提供を行います。平常時でも緊急時でもお客さまの安心・安全・快適さを守る拠点となります。
S・T T1オペレーションセンターは、緊急時、お客様対応の拠点となります。このセンターの設置を機に、緊急時に備えた放送関係の設備を増強しました。一つがポータブルの防災スピーカー。万一、災害により電気設備がダウンして館内放送設備が使用できなくなっても、必要な情報を広範囲のお客様に届けることが可能です。
もう一つが、大きなメガホンのような外観を持つメガスピーク。これは、避難経路や物資などに関するアナウンスを 日・英・中・韓の四ヵ国語で放送することができる機器で、外国人のお客様にも必要な情報を届けることができます。 -
2018年の台風21号によりKIX地下の電気施設が浸水し、
ターミナルビル内が停電した。Y・Y T1オペレーションセンターは、2019年4月に発表された関西エアポートBCP計画に基づいて設置されました。BCPとはBusiness Continuity Planの略。災害時においても継続して事業を行うために防災などに関する取り決めをまとめたものです。以前から計画の構想はありましたが、2018年の台風21号を受け、実現する動きが一気に加速。その背景にあったのは、台風で学んだこと、経験したことを計画に反映し、お客さまにさらなる安心・安全を約束しなければならないという強い使命感でしたね。
S・T 台風21号の被害を受けた後、10月頃から構想を練りました。短期間でさまざまな問題をクリアしなければならず、いかに効率的に進められるかがカギでした。
私たち運用サイドの社員だけでなく、技術サイドや現場のグループ会社のスタッフにも加わってもらいプロジェクトを加速度的に進めました。Y・Y まず最初の課題は「T1オペレーションセンターをどこに設置するか」ということ。全体的な施設運営を考慮した上で、運用サイドと設備サイドで話し合いを重ね、もともと航空会社のカウンターがあったスペースの間口に設置することに決めました。
事務系の運用部門が構想を固め、技術系部門が具現化。
スタッフ全員が一丸となり、プロジェクトが形になっていった。
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次々と現れるタスクの山を
ノンストップでクリアしていく日々。H・K 私とK・Cさんは設備サイドの一員としてプロジェクトに参加しました。私は空調や給排水に関連した設備の担当で、K・Cさんはコンセントやブレーカーなど電気設備の担当でした。
K・C センターのどこにコンセントを設置するのか、どういった電子機器を置くのかなどによって必要なワット数が変わるため、電気設備を考える上でセンターの具体的な利用法を知ることが重要です。S・Tさんに何度もヒアリングし、センターの利用法について理解を深めたことが思い出されます。
S・T プロジェクトは、運用サイドが先行してセンターの構想を固め、それを技術サイドで具現化してもらう形で進めました。
運用サイドがイメージで伝えて、技術サイドが現実的な視点を加えてくれたおかげで、プロジェクトが円滑に進んだと思っています。K・Cさんからのヒアリングで、もっと具体的に考えるべき点などに気づかされることも多かったですね。K・C 今回のプロジェクトで電気を主に使用するのはスタッフですが、他の仕事ではお客さまが利用する電気設備も手掛けています。お客さまは普段、意識せずにコンセントやスイッチなどを利用していらっしゃると思いますが、それは使いやすい位置に設けられているから。私が電気設備を担当する時は「使いやすいか」「気持ちよく利用できるか」を第一に考えています。
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H・K T1オペレーションセンターは、お客さまを案内するカウンターと、スタッフが待機するバックヤードで構成されます。今回のプロジェクトでは、主にバックヤードにおける空調設備の調整や確認を担当しました。空港は他の商業施設と異なり、設備を新設・改修する期間も途切れることなくサービスを提供し続けなければなりません。万が一トラブルがあったとしても対応できるよう、バックアップを必ず用意し、空港の運用に支障をきたさないよう心がけています。また、グループ会社や協力会社との連携も大切しています。
Y・Y センターで業務を行うのは、主にグループ会社のスタッフです。プロジェクトを進めるにあたり、スタッフたちと何度もミーティングを実施。プロジェクトのミッションとセンターの構想をしっかりと伝え、スタッフからリクエストがあれば、できるだけ応えるよう努めました。会社は違っても同じグループなので、自由に発言できる雰囲気はあります。
S・T 電気設備や空調設備のほか、パソコンのLANや電話線といったIT設備など、整備すべきことは山積みでした。
お客さまのご案内業務は、もともと案内センターで行っていたため、移設する必要がありましたが、この作業だけでも大変でしたね。オペレーションセンターの顔とも言える、カウンターの外装にはこだわりました。
空港の安心・安全・快適を追求するという
終わりのないバトンを、今後も繋ぎ続けていく。
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お客様のニーズに応え、進化を続ける
T1オペレーションセンター。Y・Y T1オペレーションセンターは2019年7月から稼働していますが、より使い勝手の良いように改良を続けています。たとえば2018年の台風襲来時に、空港を離れられず滞留せざるを得ない自国民をケアしたいという外国の領事館の要望を受け入れましたが、実際にケアするスペースがありませんでした。その反省をもとに、オペレーションセンター横に領事館の方が拠点として利用できるスペースを設けました。ここで飲料水など物資の配布も行います。
S・T 緊急時にもスムーズにお客さまに対応できるよう、常日頃からの訓練・トレーングは欠かせません。
Y・Y センターでは、災害時に空港で滞留しなければならなくなった場合には、滞留するすべてのお客さまに飲料水や寝袋などの配布を行っています。 このほか、妊婦や高齢の方、通訳が必要な方など、特別にケアの必要なお客さまを把握するため、滞留者カードを用意しています。滞留者カードに記載された情報をもとに、きめの細かいケアを提供。2019年7月に台風10号が襲来した時には、空港に滞留したお客さまは2,000人ほどいらっしゃいました。この時にも訓練の通り、飲料水や寝袋をスムーズに配布。お客さまから「夜間も安心して過ごせたよ」というお言葉をいただき、嬉しかったです。
S・T このプロジェクトに関わることで空港の安心・安全に対する思いを強くしました。安全で確実な運用をしなければ、空港は成り立ちません。安心・安全を守る重要なセクションにいることを改めて自覚し、仕事に向き合っていきたいです。
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2019年の台風10号の際には、T1 OCにて、
滞留されているお客様に飲料水と寝袋を配布した。K・C 私は設備の新設やメンテナンスを協力会社やグループ会社に依頼する立場にあるので、実際に整備を行ってくれる方々の安心・安全にも気を配りたいと考えています。私たちの仕事は協力会社やグループ会社の協力なしでは考えられないので、より一層連携を図っていきたいです。
H・K 技術系の仕事では、安全はすべてに優先するとよく聞きますが、その通りです。現在、空港の安心・安全は保たれていますが、慢心することなく、この状況を維持するにはなにが必要かを分析し続けることが大切です。今後も、技術者の視点から空港の安心・安全について考えていきたいと思います。
Y・Y 今後、T1オペレーションセンターを運用していく者として、安心・安全を最優先に考えていかなければなりません。空港には、旅行に出かけるお客さまだけでなく、航空会社や商業施設の従業員の方々、さまざまな機関の方々がいらっしゃるため、空港全体で安心・安全を感じていただきたいと思います。加えて、「この空港を利用してよかった」と思っていただけるような対応ができればうれしいです。旅・飛行機、そして何よりも空港が大好きな若者たちに「安心・安全・快適さの向上」という終わりのないプロジェクトのバトンを手渡していきたいですね!
それぞれの入社背景
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Y・Y
学生時代に関西国際空港が開設され、訪れた時にとても美しい空港だと感動したことを覚えています。飛行機や航空会社が好きで、海外との接点のある仕事に興味を持っていた私は就職活動中にKIXの求人を見つけ、迷わず志望しました。入社して気づいたのは、空港に想像以上に幅広い仕事があること。自らの視野を広げるために恵まれた環境にあると思います。
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S・T
私は幼いころ、海外で暮らした経験があります。その行き帰りで飛行機を利用するうちに、空港で働きたい、飛行機に関する仕事に就きたいと思うようになりました。就職活動の時に、KIXの求人を発見し、受けるしかないと決心。志望通り、入社することができました。社員にとっては、関西圏以外への転勤がないのも魅力の一つだと思います。
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K・C
旅行に出かける前のウキウキした雰囲気で満ちている空港や、飛行機が好きでした。大学では電気について学んでいたため、電気の知識を生かせる仕事を探していたところ、インフラ設備である空港なら他にないような経験ができると思い、志望しました。この会社では性格の異なる3つの空港に携われるのも魅力です。
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H・K
もともと飛行機を見るのも乗るのも好きで、飛行機にかかわる仕事に就きたいと思いながら育ちました。大学では飛行機の関連領域で研究しましたが、飛行機そのものよりも飛行機を運航する立場から安全を守りたいという思いが芽生えました。就職活動でその思いはさらに発展。飛行機の運航の根底を支える空港で働きたいと考え、この会社に入社しました。