洪積層下部の沈下の特徴

洪積層下部の沈下の特徴

洪積層下部は、厚さが200m程度あり、洪積層上部よりもさらに古い時代に堆積したため、空港島の重さに耐えられる固さがあり、大きな沈下は生じないと考えられていました。昭和40年代には、工場等の地下水汲み上げによる地盤沈下が社会問題となり、大阪で広域的な地盤調査が実施されました。この調査でも、洪積層下部は固いため地盤沈下の原因にはならないという見解が得られています。関西国際空港でのボーリング結果からも、洪積層下部は相当な固さを持っていることが確認されています。
一方、洪積層の各部分の沈下量を測定するため、2001年度に1期島の2カ所に沈下計を設置してデータを収集してきました。この計測データからは、洪積層下部でも、上部と比べれば小さいものの、ある程度の沈下が発生していることが判明しました。また、洪積層上部・下部ともに沈下速度が次第に緩くなり、収束傾向にあることも確認されました。

洪積層の沈下する速さの経年変化を示すグラフ。縦軸は「沈下速度(cm/年)」、横軸は2001年9月から2025年9月までを各年で示しています。A点とB点の2地点における「総沈下速度」「洪積層上部の沈下速度」「洪積層下部の沈下速度」がそれぞれプロットされています。全てのデータは、観測開始当初は沈下速度が速く、時間経過とともに遅くなっていく明確な右肩下がりの傾向が見られ、これにより、地盤沈下が安定しつつあることがわかります。グラフ内には、測定地点A点・B店の位置を示した図面と、測定対象である沖積層・洪積層の地層断面図も添えられています。

洪積層の沈下する速さの様子