ジャッキアップシステム
ジャッキアップシステムは、不同沈下によって建物にわずかな傾きが出てきた場合に、建物の1本1本の柱をジャッキで持ち上げて鉄板のプレートを挟み、建物の傾きを調整するしくみです。
地下室を設けることによる影響
空港を代表する巨大な建物であるターミナルビルの中央本館部分には、大きな地下室があります。この地下室を設けるために、土を取り除く必要がありましたが、建物の重量が除去した土の重量より軽くなることが予測されたため、本館の底に鉄鉱石を重しとして敷き詰めました。それでもなお中央本館は周辺部より若干軽い状態となっています。この結果、本館部分の沈下が周囲より少なく、両サイドのウィングとの間にわずかな傾斜が生じています。これを修正するために、ジャッキアップを行って床を平らにしています。
自動計測システム
第1ターミナルビルには900本の柱があり、各柱の沈下を自動システムで計測しています。この計測データに基づき、必要な柱を特定してジャッキアップ作業を実施しています。
定期的なジャッキアップ作業
現在は、地盤沈下が徐々に安定してきたことで不同沈下も減少しています。また傾斜も肉眼では確認できないほどわずかなものですが、数年に1回の頻度でジャッキアップを実施しています。

ジャッキアップシステムのイメージ(1)

ジャッキアップシステムのイメージ(2)

ターミナルビルの不同沈下対策状況(H19.12現在)

ターミナルビル柱のジャッキアップのしくみ

その他 さまざまな対策
ジャッキアップ以外の対策
島全体の重量が一定であれば、地表の沈下量に違いが生まれる可能性を抑えることができます。
そのため、関西国際空港では、ジャッキアップ以外にも下記のような対策を新築時に実施しています。
具体的な取り組み
| ベタ基礎工法 | コンクリートの土台を地面に直接設置する工法。不同沈下時に建物全体が均等に沈下する特性を持つ。 |
|---|---|
| 埋立層の締固め | 深さ30mの埋立地盤について、地震時の圧縮を防止するための地盤締固めを実施。 |
| 排土バランスの調整 | 建物荷重と周辺地盤との荷重差を最小限に抑えるため、必要に応じて土量調整を実施。 |
これらの総合的な対策により、1期島の沈下は、深くて均一な洪積層の沈下が主な原因となっています。
その結果、滑走路や誘導路といった基本施設において、運用上問題となるような不同沈下はほとんど生じていません。