再生可能エネルギーと水素の利活用
関西エアポートグループは、太陽光発電の導入を推進するとともに、水素の利活用にも積極的に取り組み、空港の脱炭素化の実現をめざしています。
空港内で電気を生み出し、空港内で使う「太陽光発電」
太陽光発電設備の導入と空港の脱炭素化
2030年度に関西エアポートグループの温室効果ガス排出量を2016年度比で50%削減を達成するためには、再生可能エネルギーの導入が必要不可欠です。空港内に太陽光発電設備を設置し、地産地消型のエネルギーを利用することで、空港の脱炭素化をめざしています。
関西国際空港
大阪国際空港
KIX・ITAMI Sora×Solar®始動!
約4万枚のパネルが生む、国内空港最大の発電量
関西国際空港 KIX Sora×Solar® 全景 (1期島より撮影)
大阪国際空港 ITAMI Sora×Solar®
関西国際空港、大阪国際空港に新たに太陽光発電設備「Sora×Solar®」(読み方:そら・ソーラー)を設け、2025年2月より発電および電力供給を開始しています。
空港内のターミナルビルなど、電力使用量の大きな施設の昼間の電力を賄う規模で整備しており、Sora×Solarで創られた電気が、お客さまが利用する施設に届けられています。
* 2025年2月1日時点
利用時にCO2を排出しないエネルギー「水素」
KIX水素グリッドプロジェクト
関西エアポートは、昼夜稼働が必要な空港において脱炭素化を実現するため、太陽光などの再生可能エネルギーだけでなく、水素の利用拡大に向けた取り組みを進めています。
水素は反応の過程で燃焼しても水しか発生しない究極のクリーンエネルギーであり、また、貯蔵や輸送ができることから、必要な時に必要な場所で使用することが可能です。
関西国際空港(KIX)では、本格的な水素社会の到来を見据え、2014年に関西イノベーション国際戦略総合特区の指定を受け、「水素グリッドプロジェクト」を本格的に始動し、空港における水素利活用のモデルケース構築に積極的に取り組んできました。
ここでは、水素で走る燃料電池車両(*)に関する取り組みを紹介します。
* 水素と空気中の酸素の化学反応によって発生する電気を用いてモーターを駆動させ走行する車両。走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない。
KIX水素グリッドプロジェクトのイメージ
燃料電池フォークリフト(FCFL:Fuel Cell Fork Lift)の実用化と産業車両用水素ステーションの整備
燃料電池のフォークリフトの写真
産業車両用水素ステーション(関西国際空港貨物地区)
2017年4月に 関西国際空港貨物地区において、液化水素タンクや高圧水素導管を備えた、国内初となる「産業車両用水素ステーション」が整備され、FCFLと水素ステーションを用いた国内最大規模となる実証運用を展開しています。24時間運用の航空貨物のハンドリングに FCFLを導入することにより、化石燃料や電力を動力源とするフォークリフトに比べ、CO2排出量を削減することができます。また、水素充填時間が約3分ですむことから、充電やバッテリー交換の手間が省けて連続稼働が可能となり、作業効率や労働環境の大幅な改善を実現しています。
商用水素ステーションの整備と燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)・燃料電池バスの導入促進
水素ステーション(関西国際空港)
水素ステーション(大阪国際空港)
空港内路線バス(関西国際空港)
ツアーバス
関西国際空港では2016年1月、大阪国際空港では2019年4月から、一般のお客さまにも利用いただける商用水素ステーションの運用を開始しています。
関西エアポートグループでは業務用車両にFCVを導入しており、また、2022年3月に南海バス株式会社と連携し、大阪府内で初の本格導入となる燃料電池バスを関西国際空港内の路線バスに導入しました。さらに、2025年2月には岸和田観光バス株式会社とも連携して、関西で初となる燃料電池マイクロバスを導入し、日本で初めてツアーバスとしての運行を開始しています。これらの取り組みは空港の脱炭素化に加えて地域の脱炭素化にも寄与するものです。
水素ステーションと水素で働く車両(関西国際空港)
他の取り組みも知りたい方は環境レポートをご覧ください。